木取り図を自動で作るときに、つまずくところ
このツールを作るあいだに実際に測って分かったことを書いておきます。
木取りの計算そのものより、前提の置き方でずれるほうが厄介でした。
サブロクは 910×1820 だけではない
同じ「サブロク」でも、実際に売られている板の寸法は揃っていません。
カインズの針葉樹合板は 910×1820mm ですが、
同じ店の MDF は 915×1825mm です(2026-09-07 に商品ページで確認)。
幅で 5mm、長さで 5mm 違います。
910 で計算した図を持って 915 の板を切っても、余るだけなので事故にはなりません。
逆は起きます。915 前提の図で 910 の板を切ると、最後の部品が 5mm 足りません。
規格寸法(JIS の 3×6)を既定値にしているソフトだと、この差は出てきません。
だからこのツールは実売寸法をプリセットにして、出典と確認日を添えています。
値はいずれも販売ページの公称値(表記に「約」が付きます)で、実測値ではありません。
手元の板を測って上書きしてください。
刃厚を 1mm 見誤ると、板が 1 枚増える
刃厚(カーフ)は「切り代」として消える幅です。1 本ぶんは 3mm 程度でも、
1 列に何本も入ると板の枚数が変わります。
例として、内側 900mm の板から 300mm の部品を横に並べます。
刃厚 0 なら 300×3 = 900 でちょうど 3 列。
刃厚 3mm だと 300×3 + 3×2 = 906mm で板幅を超え、2 列しか取れません。
1 板あたり 9 枚から 6 枚に落ちるので、部品 9 枚の案件が 1 板から 2 板になります。
だから最初の 1 枚は端材で試し切りして、切り上がりを測ってから刃厚を入れ直すのが確実です。
刃の公称値と実際の切り幅は、目立てや材で変わります。
端材を先に使うと、買う板が減る
工房に転がっている端材を寸法で登録しておくと、定尺の新しい板より先に端材へ割り付けます。
小物の案件だと、これだけで新しい板を買わずに済むことがあります。
端材だけで足りた場合は「新しく買う板 0 枚」と出ます。
端材の登録と複数の板をまたぐ割り付けは有料版の機能です。
定尺の新しい板 1 枚に収まる範囲までは無料で使えます(図とラベルの印刷まで)。
木目方向を固定すると板数は増える
側板や棚板は木目の向きを揃えないと見た目が崩れます。
部品ごとに木目方向を指定すると、その部品は回転させずに割り付けます。
回せる部品より置き場所が減るので、板の枚数は同じか増えます。減ることはありません。
図には木目の向きを朱書きで出すので、切り出したあとで迷いません。
CSV で部品表を読み込む
部品表を Excel や Numbers で作っている場合は、CSV にして貼り付けられます。
列は 名前, 幅, 高さ, 数量, 木目(英語の name,width,height,qty,grain も読みます)。
Excel が付ける BOM、全角の数字、引用符付きのセルはそのまま扱います。
読めなかった行は行番号を出して、その行だけ飛ばします。
黙って捨てると足りない部品表のまま切ってしまうので、読めた数と読めなかった数の両方を出します。
切断指示は貫通直線の列で出す
丸のこと定規、あるいはパネルソーは板を貫通する直線しか切れません。
途中で止める切り込みは前提にしていないので、
割り付けも貫通直線だけで到達できる形(ギロチン切り)に限っています。
切断指示書には、切る順番と各段階で残る板片の寸法を全部書き出します。
自分の機械と作業台で成立する順番かどうかは、現場を知っている人が読んで判断できます。
入力した寸法は外に出ません
計算はすべてブラウザの中で終わります。部品表も板の寸法もサーバーへ送っていません。
外部のフォントや解析スクリプトも読み込んでいないので、
どの案件をいつ計算したかは、こちら側にも残りません。
できないこと
- 矩形以外の部品(曲線・斜めの切り出し)
- CNC やレーザーへのデータ書き出し
- 強度計算・構造の検討
- 丸太や不定形材からの木取り
初版は矩形の板材だけを扱います。
寸法が合わないことは、この道具では機能不足ではなく事故なので、
確かめられる範囲から出しています。
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板材の寸法は同日に販売ページで確認したものです。